複数時間足のチャートを覚えても無駄

複数時間足でのトレードを習得するにあたり、
よくやってしまいがちな失敗パターンとして、
複数時間足のチャートを1セットとして覚えてしまう、
ということがあります。

これ、自分も、最初、複数時間足での分析を勉強する時に、
やってしまっていました。

どういうことかというと、
例えば、日足は上昇トレンド中で、
移動平均線も右肩上がりで、明らかに上で、
先端はちょっともみあっていて小休止中。

4時間足では、日足レベルの小休止ポイントの拡大、
つまりレンジになっている状態で、
先端はレンジ下限からの買いができそう。

1時間足では、下降トレンド中だったが、
4時間足のレンジ下限で上昇トレンド転換したので、
複数時間足の分析結果を統合して、買い。

こんな感じで、日足、4時間足、1時間足の分析結果を、
全部合わせて、1つのパターンとして覚えてしまうんです。

この場合、一応複数時間足を使ったトレードをすることは可能です。

しかし、問題点として、エントリーチャンスがかなり少なくなります。

日足、4時間足、1時間足を組み合わせると、パターンなんて無限大なので、
膨大な組み合わせのサンプルをとっていたとしても、
全ての時間足が一致することは、きわめて稀でしょう。

3つの時間足のうち、どれか1つでも、重要なラインを、ちょっと抜けたら、
もうサンプルは使えなくなります。

そして、実際のチャートでは、重要なラインを、ちょっと抜いてみたり、
というのは、よくあります。

前回の記事で解説していた、
上位足のラインを下位足でどう扱うべきか
の時も、そうでした。

日足のサポートラインを、ちょっと下抜いていましたね。

その後のドル円4時間足です↓

もし仮に、4時間足の青のレジスタンスで止まっていれば、
以前の下落に対しての半値戻しも重合しており、
ある程度きれいなチャートであるといえますが、
実際は、そこをちょっと上抜いているんです(赤丸)

その少し前の動きって、4時間足の青レジ到達後、
上昇トレンドを崩したりして、
明らかに青レジを意識しているような動きをしていますよね。

そして、この青レジから下降トレンド転換かな?と思ったら、
その後、そこを、ちょっと上抜き、
上抜いたかと思ったら、やっぱり下だったっていう(笑)

これがFXです。

つまり、冒頭のようなやり方で、
各時間足の分析結果をパターン化して覚えても、無駄です。

そうではなく、まずは単一時間足の考え方をマスターし、
あとは、それを複数時間足でやって、
最終的に、それらの分析結果を統合して、判断できれば、
日足、4時間足、1時間足、5分足で、あらゆるチャート形状に対応でき、
エントリーチャンスも増えます。

とりあえず、まずは単一時間足の考え方を完璧にマスターし、
売り買いの判断はもちろん、その根拠の強さまでも、
判断できるようになることです。

そうなれば、あとはそれを複数時間足でやって、売り買いを多数決で判断。
イーブンならエントリーしければいいだけです。

それなら、冒頭のように「ラインをちょっと抜いた」場合でも、
ラインを抜いた時間足の根拠が弱くなるだけであり、
他の時間足で、根拠が十分ならエントリーできますね。

もちろん、それができるようになったとしても、
上記のような、だましには合います。

しかし、毎回だましが発生するわけではありません。

というか、分析さえ間違っていなければ、
きれいに行く時の方が多いです。

だましは、まだ方向がよく定まっていない先行期に発生しやすく、
ある程度方向が定まった上で、追従期で入っていけば、
そんなに、だましに合うことはありません。

PS.
「上位足のラインを下位足でどう扱うべきか」
の代わりの動画アップしました。

先行期/追従期/利食期、エリオット波動の考え方の動画で、
これまでの動画の中で一番大事かもしれません。

1時間前後あってちょっと長いですが、
時間がある時に見てみてください。